☆リフォーム工事にした理由☆



自宅をリフォームすることにした。

昭和56年以前の耐震基準で造られていることと
東日本大震災で家が痛んでいる可能性があるからだ。

実際に業者に自宅を点検してもらうと
北西側の和室の基礎コンクリートが地震の影響で割れていて

コンピューターによる耐震診断でも
その部屋の周辺を中心に建物が脆弱であることが判明した。

東日本大震災のときに
その和室の物だけが非常に多く落下していたことと
真上の屋根瓦が大きくズレていたのも無関係ではなかろう。


ちなみに耐震性能が低下した原因は
その和室の北側と西側の壁がオーバーハングしていて
耐震に寄与する耐力壁が全くなかったことだ。

狭い部屋を少しでも有効利用しようと
苦肉の策で壁を出窓状にオーバーハングさせたのだろうが

そのことで耐震性能が落ちるといったことなど
建築した当時の工務店の頭には全くなかったのであろう。

今だったら全然通用しない設計だそうだ。


この和室には新たな耐力壁を設けることとし
更に耐震性能を上げる工事を外壁を外して行ったのだが

全て内側の壁を外してから耐震補強するよりも
若干安価に出来たのは意外だった。

元々外壁が塗り物で重量が増していることと
屋根瓦が陶器製でやはり重量があるとのことだったので
建物の外側はほぼ全面的に造り変えることにしたのだが

だからこそ内側の壁を外して工事するよりも
外壁を外して工事する方が安価になったのだ。


ところが最終的には内側の壁も結構外したので
全面的にリフォームしても良かったのかも知れない。

いや建築に掛かった費用を考えると
むしろ完全に建て直しても良かったくらいだ。


とは言えどリフォームに掛かる時間と
トータルでの建築コストを鑑みたときに
建て直すことを選択する余地は殆どなかった。

やはり父の介護が関係してくるのだ。

父が健康で全く問題が無かったら
もっと費用を当て込むことも出来たであろう。

だがいつ入所施設に入るか全く読めない以上
むやみやたらに手持ちのお金を減らせないのだ。


さらに家を解体してから完成するまでの期間が
半年以上掛かってしまったとしたら

それだけ父に負担が掛かって
認知症が大きく進んでしまう可能性があったからだ。


脳神経外科クリニックの先生から
リフォームに伴う転居(仮住まい)があることを告げたところ

病状が進行してしまう恐れがあるので
出来れば止めて欲しいと言われていたのだ。

もちろん仮住まいによるストレスを
強く感じるタイプであることが前提だが

父に関してはその点は心配ないと判断したものの
半年以上仮住まいになるのは避けたいと考え
建て直さずリフォームに踏み切ったのだ。


結果的に三ヶ月の建築期間で済んだのだが
転居に伴うストレスによる病状の進行は無かったのだが

別の要因で病状が進行してしまったのが皮肉だ。


つい一カ月前の11月頭に父は風邪を引いてしまい
その時に脳から体に向かう神経の信号に支障が出て
身体を動かす早さが極端に鈍くなってしまったのだ。

風邪を引くほんの一週間前まで
人混みをかき分けてずんずんと進んでいき
家族が追い付けないくらいの早足で歩けていたのだが

今は辛うじて一人で歩けるものの
その早さは以前に比べてかなり遅くなってしまい
人混みを歩かせるわけに行かないレベルまで落ちたのだ。


さらに一人では布団から起き上がることが出来なくなり
介護用ベッドを急遽手配する必要が出てしまったのだから

認知症になってしまってからの病気は
たとえ風邪であっても体調に大きく影響が出るのである。

今回の一件で痛いほどわかった。


ちなみに風邪で体調が酷く落ち込んでいたときは
それこそ意思疎通が殆ど出来なくなってしまい

このまま寝たきりになるのではないかと
覚悟を決め心の準備をするほど酷い状態だった。

幸い今はコミュニケーションが
辛うじて成立する程度まで体調が回復したので
寝たきりになることは避けられたのだが

またいつ病状が悪化するか分からない以上
より一層注意して父を看て行かなければならないのだ。


リフォーム工事が完成し
父を介護しやすい環境が整ったので
以前ほど不安に感じることは少なくなった。

もし以前のままの自宅であれば
介護ベッドを置くのにも一苦労したであろうし
風呂に入れるにも大きく負担になっていたであろう。

そういった面での不安が解消されただけでも
リフォームして良かったと心から思えるのだ。


新築の家に対して正直言えば憧れはあるのだが
今回は父の体調を優先してリフォームで行くことにした。

でももし次があるとすれば
今度こそは新築に踏み切りたいものである。

(H28.12.04)




Copyright © 2016 ☆Akira's diary☆ All Rights Reserved.